【労災保険】個人事業主のための特別加入制度|一人親方・中小事業主向け

【労災保険】個人事業主のための特別加入制度|一人親方・中小事業主向け

労災保険とは、本来は「従業員」が加入する保険ですので、個人事業主は原則、加入できません。ですが、一人親方や自営業(個人事業主)の方のなかには、万が一に備えて労災保険に加入したいと思っている方も多いのではないでしょうか。実は、「特別加入制度」を利用すれば加入が可能に。こちらでその方法についてご紹介します。

労災保険の特別加入とは

労災保険の特別加入とは
社会保険の一つ、労災保険は「日本で働く従業員」の生活と安全を守るための保険制度です。

つまり、本来であれば労災保険とは「雇う側」にいる立場の方には縁のない話ということです。
あるいは、「海外に派遣された従業員」も労災保険には加入できないこととなります。

しかし、「一人親方」や「個人タクシー業者」のような自営業者の方は、デスクワークの方に比べると外での業務が多いですから、当然、事故の確率は高いと考えざるを得ません。
「海外に派遣された方」も同様、もしかすると日本よりも治安の悪い地域での業務かもしれませんよね。

そんな方も守るために、労災保険には「特別加入制度」が設けられています。
要するに、「労災保険の加入対象者から漏れてしまった人を助けるための制度」と言って良いでしょう。

なお、特別加入制度が設けられている4つの働き方が下記の通りです。

  1. 中小事業主
  2. 一人親方・その他の自営業者
  3. 特定作業従事者
  4. 海外派遣業者

今回の記事では、「個人事業主が労災保険に加入すること」をテーマにしているので、「一人親方・その他の自営業者(=個人事業主)」に絞ってご紹介します。

社会保険についてもっと基礎的なところから知りたい

ここまでの話を受けて、そもそも「社会保険って何?」と気になった方もいらっしゃるかもしれません。
社会保険とは、ざっくりいうと国が管轄している公的な保険制度のことで、大きく4つあります(年金保険、健康保険、労働保険、介護保険)。

労災保険とは、その中の労働保険の一つとして認識されているのですが、他の保険制度含め、実際に手続きを進める前に、ある程度理解が追いついていないと少し不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

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【一人親方・その他の自営業者向け】労災保険への特別加入制度

【一人親方・その他の自営業者向け】労災保険への特別加入制度
一人親方や自営業者(=個人事業主)の方は、「労災保険の特別加入制度」を利用して労災保険に加入することができます。
では、具体的にどうやって加入すれば良いのでしょう。

こちらでは、最低限知っておきたい3つのポイント、

  • 加入対象者:誰が加入できるのか
  • 手続き方法:どうやって加入するのか
  • 給付金:加入してどんな良いこと(受け取れる給付金)があるのか

をまとめています。

一人親方・その他の自営業者の定義

一人親方・その他の自営業者は、その範囲を厚生労働省によって厳密に決められています。

一人親方・その他の自営業者の範囲

従業員を抱えることなく、たった一人で下記にある7つの事業のいずれかを行っている人は労災保険に加入することができます。

  1. 個人タクシー業者や個人貨物運送業者など
  2. 大工や左官、とび職など
  3. 漁船による水産動植物の採捕の事業
  4. 林業の事業
  5. 医薬品の配置・販売事業
  6. 再生利用の目的となる廃棄物の収集、運搬、選別、解体などの事業
  7. 船員法第1条に規定する船員が行う事業

要するに、「デスクワークではなく、外で働く人を中心に特別加入制度への門戸を開いている」ということです。

【労災保険の特別加入制度】手続き方法

手続き方法は、大きく2パターン。

  1. 「特別加入申請書(一人親方等)」を所轄の労働基準監督署に提出
  2. 「特別加入に関する変更届(中小事業主及び一人親方等)」を所轄の労働基準監督署に提出

ここで、労災保険への特別加入に関する手続きについて、押さえておきたいポイントがあります。
それは、「まずは特別加入団体を設立して、それから団体として特別加入の許可をいただく」という流れになっているということです。

「団体」といっても、当然この場合は一人を意味します。
しかし、それは自営業以外にも特別加入が認められてる「複数人の事業体」もあることに由来しているので、気にする必要はありません。

改めて整理すると、
・新しく特別加入団体を設立する場合、「特別加入申請書(一人親方等)」を提出する。
・既に別の特別加入団体に加入していて、団体を変更する場合、「特別加入に関する変更届(中小事業主及び一人親方等)」を提出する

という区分けになっています。

《補足》手続きに健康診断が必要ってほんと?

労災保険の特別加入制度を利用した加入方法は2つ。
どちらも「書類一枚を労働基準監督署」に提出することでした。

しかし、自営業者の方のなかには事前の健康診断が必要な場合があります。
以降で具体的に説明します。

加入時に健康診断が必要な場合
業種と、その事業に従事していた期間によって、加入時に健康診断が必要な場合があります。
こちらでは、「業種ごとに必要な健康診断の種類」と「健康診断を行うための手続き」の2つについてご紹介します。

▼健康診断が必要な業種

  • 粉塵作業を伴う業務に3年以上:じん肺健康診断
  • 振動工具使用の業務に1年以上: 振動障害健康診断
  • 鉛業務に半年以上:鉛中毒健康診断
  • 有機溶剤業務に半年以上:有機溶剤中毒健康診断

▼健康診断を行うための手続き

  1. 「特別加入時健康診断申請書」を労働基準監督署に提出
  2. 労働基準監督署から「特別加入健康診断指示書」「特別加入時健康診断実施依頼書」を受け取る
  3. 期間内(書類に明記されている)に指定の診断実施機関にて診察を受ける
  4. (その後)診断機関から受け取った「健康診断証明書」を添付して、特別加入の手続きを踏む

手続きは代行してみるのもあり

一人親方など、事務作業から本業まで全て一人でこなされている方にとってみれば、一つの書類を労働基準監督署に提出しに行くのも、憚れることがあるかも知れません。
とはいえ、保険自体にはなるべく早く入っておきたいもの。

そこで、こちらの方に加入の手続きを代行してみてはいかがでしょうか。
労務士がミスのない書類作成をしてくださいます。
是非、チェックしてみてください。

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受け取れる給付金について・労災保険に加入するメリット

個人事業主の方でも「特別加入制度」を利用して、労災保険に加入することができます。
そのメリットはもちろん、「給付金」です。
こちらでは、どんな状況で給付金が交付されるのか、そして、どのくらい給付金を受け取ることができるのか解説しています。

給付金が交付される状況①【業務災害】

まず、給付金が交付される状況は大きく2つあることを押さえましょう。
一つが「業務災害」、もう一つが「通勤災害」です。
こちらでは「業務災害」についてご説明します。

そもそも業務災害とは、その名の通り、業務を行っているときに遭ってしまった災害のこと。
それらは、働き方ごとに決まっており、条件を満たせば、給付金が交付される仕組みになってします。

代表的な例を2つほどご紹介します。
まずは、個人タクシー業者や個人貨物運送業者の例。
こちら、「通常業務の運転業務」「貨物の積卸に伴う乗降時」「災害(台風、火災)により予定外の出勤時」など、幅広い状況をカバーされていることが確認できるので安心ですね。

次に、建設業者の一人親方の例。
こちらも、「現場での業務」「自家内作業場での業務」「機械や部品の移動業務」「予定外の出勤時」と、幅広くカバーされています。

▼他の例も確認する
特別加入制度のしおり(一人親方その他の自営業者用)|厚生労働省

給付金が交付される状況②【通勤災害】

通勤災害もその名の通り、通勤中に起こった災害を意味します。

では、「通勤」とはどの範囲を具体的に表すのでしょうか。
これは厳密に決まっていて、「職場と自宅との往復」「就業時間中の就業場所間への移動」「職場と帰省先の移動」とされています。

注意が必要なのが、あくまでも「合理的な移動において」とされていることです。
例えば、退勤中、友人とご飯に行こうと、遠回りをして自宅に帰宅した場合は、合理的な移動とは言いません。
あくまでも保険適用されるのは、「最短距離での移動での災害」と押さえておきましょう。

また、そもそも一人親方は通勤災害が保護の対象となっていませんのでこれもまた注意が必要です。

給付金の計算方法

ここまで、給付金が交付される状況について説明してきました。
こちらでは、もし災害に遭ってしまったときに実際に受け取れる給付金(金額)についてご紹介します。

こちら、「給付基礎日額」を元に算出されることを押さえておきましょう。
給付基礎日額とは、労働基準法の平均賃金のことで、直前3ヶ月間に受け取った賃金を日数で割ったものです。(賞与は含まない)

▼給付基礎日額の計算方法・保険料についてもっと詳しく
特別加入制度のしおり(一人親方その他の自営業者用)|厚生労働省

雇用調整助成金を受け取って、金銭的負担を軽くしよう

一人親方の方やタクシー運転業者の方は、自分で自分の身を守ろうとする努力が必要です。
そこで、受け取れる助成金はなるべく受け取っておく手続きをするべきと筆者は考えます。

雇用調整助成金をご存知でしょうか。
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まとめ

まとめ
「従業員」ではない個人事業主は原則、労災保険には加入できません。
しかし、特別加入制度を利用することで、個人事業主の方も業務中に発生した災害に備えることができます。

こちらの記事では、個人事業主の方が必要に応じて特別加入制度を利用できるよう、

  • 特別加入できる個人事業主の例
  • 加入方法
  • 保険料や、受け取れる給付金

について解説してきました。

下記にある厚生労働省のサイトリンクを読みつつ、書類作成などを作業を、適宜ココナラで代行してみるのがおすすめです。

▼労災保険の特別加入【全体】について
労災保険への特別加入 |厚生労働省

▼中小事業主用の労災保険の特別加入についてもっと詳しく
特別加入制度のしおり(中小事業主等用)|厚生労働省

▼一人親方その他の自営業者の労災保険の特別加入についてもっと詳しく
特別加入制度のしおり(一人親方その他の自営業者用)|厚生労働省

▼特定作業従事者の労災保険の特別加入についてもっと詳しく
特別加入制度のしおり(特定作業従事者用)|厚生労働省

▼海外派遣者の労災保険の特別加入についてもっと詳しく
特別加入制度のしおり(海外派遣者用)|厚生労働省

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Kento
ココナラマガジン編集部ライターのKentoです。 主に「開業・開店・経営」「お金・資産運用」カテゴリーの記事を担当。 距離を感じやすいテーマだからこそ、読者の方に寄り添えるライターとしての強みを生かして、読みやすく分かりやすい記事作成に努めます!